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【早坂先生第10回】塩素が関係?お風呂のお湯が皮膚にしみる?

mizu

アトピーの方からお風呂のお湯が皮膚にしみる、お風呂で症状が悪化する、という話を聞くことがあります。その原因とは、いったい何でしょうか?

お風呂のお湯が皮膚にしみるとは?

アトピーの患者さんから「お風呂のお湯が皮膚にしみる、症状が悪化する」という話を聞くことがあります。正しく入ればお風呂はアトピーにもプラスに働きますが、このお湯が皮膚にしみる、症状が悪化するというのは、どのようなことなのでしょうか?

その原因の1つとして挙げられるのは、やはり塩素でしょう。

現在、日本の水道水は1957年(昭和32年)に制定された水道法によって、病原菌等の消毒の目的で、蛇口での残留塩素濃度を0.1mg/L以上保持するように定められています。塩素が蛇口で一定濃度保持されているということは、水道水は安全に運ばれてきたという証にもなっているのです。また、その一方で、味やにおいの観点から、塩素濃度の上限を1mg/L以下に抑えるという水質管理目標値も示されています。なお、消毒の人体への影響については、水道水のレベルでは心配ないと言われています。しかし、この残量塩素が肌にダメージのあるアトピーの患者さんにはつらい症状の原因の1つになっていると考えられています。

本当に塩素がアトピーに悪さをしているのでしょうか?

「アトピー 塩素」などとネットを検索するとたくさんの情報がヒットします。しかし、その多くが個人的な体験談であったり、なにかの商品の宣伝の一部であったりします。このアトピーと塩素の関係について、医学的な研究ではどのような結果が報告されているのか、少しご紹介します。

大阪の小学生45万8千人を対象にした貴重な大規模調査の結果によると、水4道水の塩素濃度が高いところの子どもでアトピー性皮膚炎が多いというものでした。また水道水の硬度が高いところの子どもでもアトピー性皮膚炎が多いというもので、水道水の水質とアトピー性皮膚炎には関連があることを示唆した結果となっていました。

また、別の実験的な研究では、お風呂に入るにあたって、正常な皮膚の人とアトピーの人にそれぞれ残留塩素濃度の違う湯に浸かってもらい、皮膚の水分量や水分保持能力を測定しました。その結果、正常な皮膚の人にとっては変化の見られない残留塩素濃度の湯でも、アトピーの人にとって水分量や水分保持能力が低下するという結果でした。すなわち、皮膚が正常な方にはなんでもない遊離塩素濃度の水道水のお風呂でも、アトピーの人にとっては、皮膚乾燥につながる可能性があるということを示しています。

それではどうすればいいのでしょうか?

残留塩素に敏感なアトピーの方にとっては、水道水そのままのお風呂でしみる、アトピーが悪化する場合は、残留塩素の中和を試みてみるのもよいかもしれません。手軽で確実なのは「アスコルビン酸(ビタミンC)」を薬局などで購入して0.2-0.5g程度入浴前に浴槽の湯に混ぜることです。これは費用的には手頃な方法です。また、塩素を除去する能力のある浄水器などを通して湯を張るというのも良い方法です。
また、もちろんアトピーの症状はお風呂の塩素だけで悪化したり改善したりするものではなく、さまざまな要因が絡む複合的なものです。絶対的なものというより、アトピーに影響を与える要因の1つとしてお風呂の湯の塩素のことも考えてみましょう。

参考論文)
Environ Res. 2004 Jan;94(1):33-7.
J Dermatol. 2003 Mar;30(3):196-202.

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