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【早坂先生第5回】温泉入浴を続けていく時の皮膚の変化とは?

温泉皮膚炎

アトピー治療で温泉に期待を寄せる人も多いと聞きます。前回の記事で「温泉皮膚炎」について記載しましたが、この記事では温泉入浴を続けた時の皮膚の変化と対処法について、もう少し詳しく見ていきましょう。

※前回の記事「湯治をする時の注意とは?」

■全国の温泉で様々な名前で呼ばれている皮膚の変化

温泉入浴を続けていくと皮膚炎が起きることがあります。これを医学的には温泉皮膚炎と言います。草津温泉皮膚炎、玉川温泉皮膚炎、という形で温泉地の地名が付いていたり、ユゴ、あるいはタダレ、などと呼ばれることもあります。

■温泉皮膚炎の症状とは?

温泉皮膚炎にはいくつかのタイプの症状があります。

①わきの下、股の内側、ひじの内側、膝の内側などが、赤くなったり、腫れたり、「びらん」というかぶれ状態の他、皮膚が厚くなったり、水っぽく体液が分泌することがあります。次第に軽快していきますが、そのあと、皮膚が色素沈着といって黒ずむことがあります。これは卵の腐った臭いが特徴である、硫黄泉や硫化水素泉で見られます。

②4~7日で皮疹、丘疹といったブツブツが、タオルでこすることの多い胸や臀部、首にできるものもあります。これもしばらくすると色素沈着を残して軽快します。主に酸性泉で見られる皮膚炎です。同様の皮疹は単純泉でも見られることがあり、この場合、約10日程度で出現します。

③温泉によっては経験上何時間も続けて湯に入ることが一般的な療養法とされているところもあります。そのような場合、特に足の指と指の間が白くなって柔らかくなることや、米粒大の皮疹ができることがあり、温泉浴を一時的に中断すると改善します。

■もとの病気そのものの悪化の場合も

過度の入浴や入浴方法の誤りで、もともとあった皮膚の病変が悪化することがあります。特に発熱や食欲の低下、だるさなどの全身症状があるとき、あるいは皮膚が赤くなってはがれ落ちるような変化があった場合は、温泉入浴は即時中止する必要があります。

これは硫黄泉や硫化水素泉、酸性泉といった刺激の強い温泉ばかりではなく、時に皮膚に優しいとされる単純泉等でも発生することがあり、注意が必要です。

■温泉で皮膚に変化が出た場合の対処は?

以前の報告では、温泉皮膚炎が出た人の55%は温泉皮膚炎が改善して、さらに44%は元の皮膚疾患が改善したとしているものの、一方、継続して温泉に入ると、17%の人で温泉皮膚炎が悪化したとも報告があります。

専門医の指導の下で温泉療養行っている場合以外は、温泉療養中に皮膚の悪化、あるいは新たな問題が出てきた場合は、温泉入浴を原則一旦中止すると良いでしょう。また、温泉皮膚炎は温泉の副作用なので、元の皮膚疾患が治るためには温泉皮膚炎は必ずしも必要ではありません

温泉は天然の産物とはいえ、副作用が無いわけではありません。自分で温泉療養を行う場合は、症状や体調が悪化したら無理せず一時中止する、を原則にしましょう

参考文献:中溝慶生:温泉医学341-347, 1990

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