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温泉のアトピーへの効果とは?②-その成分に秘密あり!

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アトピーの方は温泉に対して効果の期待も大きいと思います。しかし、国内の温泉でのアトピーへの効果を医学的に調査研究している事例は多いとは言えません。前回の記事では草津温泉で行われた貴重な研究について紹介しましたが、この記事では、なぜ草津温泉がアトピーに効果があったのか、解説していきます。

前回の記事はこちらから「温泉のアトピーへの効果とは?-草津の研究から-」

■草津温泉とアトピー

群馬大学草津分院の研究グループは草津温泉がアトピーに効果のあることを医学的に評価し報告しています。これは、温泉の、アトピーへの効果を評価した貴重な研究でした。さらに、同グループは、皮膚の細菌について注目し、詳細な追加研究を実施しました。

■黄色ブドウ球菌とアトピー

これまでの他の研究などからも皮膚の黄色ブドウ球菌がアトピーの症状悪化に影響をしていることが指摘されてきました。
黄色ブドウ球菌は普段から鼻腔や皮膚に存在する細菌ですが、その菌が作りだす外毒素がアトピーに悪影響を与えることが指摘されています。特に皮膚をかきむしると、そこで黄色ブドウ球菌が繁殖して皮膚症状が悪化するという悪循環につながります。
そこで、草津温泉の研究では、温泉水が黄色ブドウ球菌の繁殖にどのような影響があるのかも調査されました。

■草津温泉でアトピーが改善した人の特徴とは?

草津温泉でアトピーが改善した人には、皮膚の黄色ブドウ球菌の変化にはどのような特徴があるのでしょうか?

草津温泉の研究では、温泉でアトピーの改善した人、改善しなかった人の皮膚の黄色ブドウ球菌の数を数えています。その結果、アトピーが改善した人はそうでなかった人と比べて黄色ブドウ球菌の数が減っていました*1。
草津温泉のアトピーの改善には、どうやら、この黄色ブドウ球菌が減ることが関係しそうだということが分かりました。

そこで、草津温泉での研究がさらに進みます。

■草津温泉の秘密は殺菌力

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草津温泉は酸性が強いのが有名ですが、その泉質は酸性(pH2.0)-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉でした。pHは酸性やアルカリ性の程度をしめす指標ですが、7が中性でそれより数値が小さいと酸性、大きいとアルカリ性を示します。pH2.0というと、食酢やレモン果汁よりも強い酸のレベルです。
以前から温泉医学では「酸性が殺菌作用につながっている」と言われていました。

しかし、アトピーの患者さんの皮膚から培養した黄色ブドウ球菌は同じ酸性を示す硫酸で殺菌効果を試したところ、あまり殺菌されませんでした。
単純に酸が強ければ殺菌作用があるというわけではない、ということが明らかになり、これは温泉医学にとっては新しい発見になりました。

■殺菌力の決め手はその成分バランス

この草津温泉の研究のすごいところはここから先です。
研究グループは、酸性だけでなく、その温泉成分に着目しました。草津温泉の成分を詳しく分析して、探偵のように1つ1つ温泉成分を足しては殺菌効果を確かめるという地道な作業を繰り返しました。
その結果、水素、マンガン、ヨウ素の3つのイオンがそろった時、初めて強力な殺菌効果があることが明らかになったのです*2。
この、自然が作りだした草津温泉の絶妙な成分バランスが、アトピーに効果のある殺菌作用を生み出していたことが群馬大学草津分院の研究グループによって初めて明らかになったのです!

*1久保田ら:皮膚病診療24:1333-8,2002.
*2久保田ら:日温気物誌62:71-79,1999.

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