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温泉のアトピーへの効果とは?-草津の研究から-

草津温泉

アトピーの方は温泉に対して効果の期待も大きいと思います。しかし、国内の温泉でのアトピーへの効果を医学的に調査研究している事例は多いとは言えません。そのような状況のなか、今回は草津温泉で行われた貴重な研究について紹介いたします。

■アトピーと温泉

アトピーの患者さんにとって温泉療養には関心があると思います。しかし、医学的な情報が少ないのが実態です。
温泉では、浸かることで、温泉の成分が直接皮膚に触れますので、皮膚への効果は出やすいと考えられます。また、他の内科系の病気と比較して皮膚の状態は患者さんが直接目で見ることもできるので、改善効果が確認しやすく、アトピーの方が効果を期待する治療法の1つと言えるでしょう。しかし、ネットなどで目に触れる情報の多くは一般の患者さんの体験談です。体験談は参考にはなりますが、医学研究者からすればそれらの情報をすべて鵜呑みにすることはできません。なぜならどんな状態の患者さんが、どこの温泉に、どのように入ったのかも不明瞭ですし、アトピーの評価も客観的ではないからです。

■貴重な草津温泉での調査

昔から草津温泉はアトピーに効果がある、という経験談がたくさんあり、人気の温泉です。そのような中、今から十数年前に一連の貴重な研究が群馬大学草津分院のグループから発表されています*。
この研究では、100人のアトピーの患者さんへの草津温泉への効果を医学的にきちんと評価しました。この研究の調査対象となった患者さんのアトピー性皮膚炎の平均罹患年数は17年ということで、すでに慢性化した方が多かったようです。治療方法としては40-42℃の温泉に10分間、1日1-2回の入浴で温泉療養を実施し、入院期間は平均75日間でした。草津温泉は酸性が強いのが有名ですが、その泉質は酸性(pH2.0)-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉でした。出浴後にはタオルで皮膚の温泉水をすぐに吸収させてワセリン等で保湿ケアを実施しました。ステロイド軟膏は使わなかったとのことでした。

■その結果は?

皮膚の状態をスコア化して、客観的に皮膚の状態を温泉療養の前後で比較したところ、79%の人が改善しました。そのうち改善した人のうち70%の人がかゆみも改善しました。悪化した人は1人もいなかったとも報告されています。入院して温泉に入るだけで79%もの人が改善したとなると驚異的と言えるでしょう。なぜ、このような効果があったのか、この研究グループはさらに研究報告をしていますが、これは次回にご紹介いたしましょう。(残念なことに、この群馬大学草津分院は2002年に閉院され現在入院治療はできなくなりました。)

次回の記事はこちらから「温泉のアトピーへの効果とは?②-その成分に秘密あり!」

*久保田ら:日温気物誌62:71-79,1999.

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