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アトピーニュースを紐解く!「NF-κBデコイオリゴDNA」が国内第3相臨床試験症例登録完了

アトピーニュース

「医療でできること」はほんの少し。
まずはじめに「医者は病気は何でも治してくれる」「病院へ行けばなんとかなる」とお思いになりますか?
「病院へ行ったのに治らなかった。」「明確な原因・治療が見つからなかった」と不満を感じた経験はありませんか?

医療の限界と医師の役割

こちらの記事をお読みになっている方は、アトピー性皮膚炎の症状で悩まれている方や、アトピー性皮膚炎の身近にいる方が多いと思いますので、医療の限界を知っているかもしれません。なぜなら、ご存じのようにアトピー性皮膚炎を根本的に解決する薬というものが今のところないからです。

わたしたち医者ができることは氷山の一角です。わからないことのほうが多いのです。例えば、皮膚科でおなじみの蕁麻疹は、アレルギーを止める薬(抗アレルギー薬・抗ヒスタミンン薬)を飲んで治療をしますが、原因がわかることの方が少ないです。その他、乾癬(かんせん)・白斑(はくはん)・皮膚がんなどの皮膚疾患も原因も根本治療もまだ完全にはわかっていません。

ですので、治療法は原因を根本的に治す治療ではなくて、とりあえず症状を抑える対処療法で治療するということがよくあります。

しかし、悲観する必要はありません。完治しなくても、信頼できる医師とともにきちんとしたケアや治療で副作用を最小限に抑えて、症状が気にならないくらい良くすることができます。また、医療は日々進歩しています。

アトピー性皮膚炎新薬の明るいニュース

現在、アトピー性皮膚炎においては、NF-κBデコイオリゴDNAを用いたアトピー性皮膚炎治療薬が世の中に出るためにテストされている最中です。先日1月19日に国内で実施中の第Ⅲ相臨床試験の症例登録が完了したというニュースが流れました。

これはどういうことかと言いますと、新たなアトピー性皮膚炎の治療薬が治験において、最終段階に入り、被験者への投薬が完了したということです。
この後、良好な結果が得られた場合に、アトピー性皮膚炎への適応薬として承認申請が可能となり、申請が通れば販売可能となります。

NF-κBデコイオリゴDNAとは?

このNF-κBデコイオリゴDNAというものは、簡単に説明すると以下のようになります。

NF-κB

NF-κBが活性化すると細胞に炎症反応を起こし、アトピー性皮膚炎や乾癬などの病状を悪化するものです。

デコイオリゴ

遺伝子の働きを抑える核酸の一種です。

NF-κBデコイオリゴDNA

NF-κBが活性化した分子に対して効果があるとされ、こちらを用いた軟膏が治験の最終段階となりニュースとなっています。

こちらの治療薬を開発しているアンジェスMG株式会社によると、「既存の薬剤と比較して特異性、標的分子に対し確実に効果が発揮されるなど有効性の面で治療薬として優位性があると考えられ、また副作用の面でも軽減することが期待されます」とされています。

アトピー性皮膚炎において、ステロイド軟膏を付けるということは標準的な良い治療法なのですが、顔においては副作用が出やすいため、1999年にプロトピック軟膏というステロイドではない軟膏が出ました。プロトピック軟膏の登場により顔の皮膚炎が大変治療しやすくなったのですが、NF-κBデコイオリゴDNA軟膏には副作用の軽減効果にも期待が持てるようです。

遠いように見えて近い

高速道路や新幹線が開通するとき、その発表が行われてから、実現するまでの道のりは大変長く感じます。同様に、新薬が実際に使われるようになるまでは遠い道のりに感じます。

しかし、今まで治らなかった病気が治るようになっています。重症のアトピー性皮膚炎の方には「生物学的製剤(せいぶつがくてきせいざい)」という注射のお薬が使えるようになりましたね。確実に医療は前進しています。IPS細胞がこれからは実用化されますでしょうし、アトピー性皮膚炎が治る薬が開発される日もが早く来るといいですね。医学の進歩に期待したいと思います。

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